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アライ先生インタビュー(1) ReBitの出張授業で救われる子どももいるけど、そのあとサポートするのは私たち教員の役割

近藤友里子さん 神奈川県立高等学校教諭

(2020.08.17)
 

近藤友里子さん
神奈川県立高等学校教諭

教員として、アライ先生を増やすために校内で奮闘中。前任校ではLGBTに関する授業の設計を行い、LGBT Allyの学校オリジナルレインボーステッカーを作成。ReBitの活動にも積極的に参加し、アライ先生の立場で講演などを行なっている。

 

自身も「個性」で悩んだからこそ、生徒には大切にしてほしい

 

アライ先生としてReBitだけではなく、様々なLGBTや多様な性に関するイベントに参加し、学び、インプットしたことを、学校現場でアウトプットを繰り返してきた近藤先生。実は元々、「LGBT」も「アライ」も知らなかったとか。

「当時、総合的な学習の時間で、グループリーダーだった先生から『LGBT』をテーマにしたい、と言われ、何も知識がないまま、とりあえずReBitさんを学校に呼ぼうと出張授業を依頼しました。」

思春期のときに自身の「個性」について悩んでいた近藤先生は、「自分らしく、ありのままを大切に」というReBitの出張授業のメッセージが響いたとおっしゃってくださいました。

「目の前の生徒たちには、誰かの求めている型にはまるのではなく、自分らしく堂々と、楽しい人生を送ってほしいと改めて思うことができました。」

 

私たちの世代が社会を作る一員

 
diverseedsの最終報告会の様子

そこから実際に生徒たちの力になるために、勉強しようという意識に変わり、当事者のリアルの声を聴くために様々なイベントに参加。

「私たちの世代が社会を作る一員だという自覚を持って教育に携わっていく必要があると思い、少しずつ現場でアクションを起こしていこうという気持ちになりました。」

自分の意識がどんどん変わっていく中で、「学校を生徒たちにとって安心安全な場にするにはどのようなことができるだろう」と考え、ReBitの若者・リーダー応援プログラム「diverseeds」に応募し、学校をアライ化するというプロジェクトに取り組まれました。

「ReBitの出張授業で救われる子どももいるけど、そのあとサポートするのは私たち教員の役割です。LGBTの子どもたちにとっても安心・安全な学校をつくりたいと思いました。」

アライ先生を可視化するために、プロジェクトでは学校のオリジナルステッカーを作成。そのステッカーを校長先生も貼ってくださったり、他の先生たちの意識も変化したり、探究活動でLGBTをテーマとして取り扱う生徒たちが増える等、学校内全体で変化が感じられるようになったそうです。

「教員だけではなく、生徒たち自身が『アライ』になっていく様子にも本当に勇気づけられます!」

 

まずは半径5メートル以内から

 

「障害、外国ルーツなど名前がついてないマイノリティ性のある子どもたちにも安心して学校生活を送ってほしい。1回しかない学校生活だからこそ、いい思い出になってほしい」

全ての子どもたちにとって、素敵な学校生活を送ってほしいと心から願っている近藤先生。これから取り組みたいと思っている先生たちにメッセージをいただきました。

「ある先輩教員から言われた「フットワークはネットワーク」という言葉があるのですが、学校内だけではなく学校外でも繋がりを持つと良いと思います。そこから情報交換をしたり、自身の視野を広げたりすることができます。また、目の前のことに一生懸命取り組む姿勢は、他の人たちにも必ず届きます。」

「私自身もまだまだ勉強の途中です。まずは半径5メートル以内からできることをやっていこう、と思っています。」

ライター:認定NPO法人ReBit